我が友、山辺響さんが、
「放送禁止歌」という本についてblogに書いていた。放送禁止歌、と言っても、お下劣系の歌の話ではない。具体的に言うと、つボイノリオさんの「金太の大冒険」とは関係ないらしい。(ちなみに、この歌も僕は大好きなんだが、今日の日記とは関係ない)
するってぇと、あれだ、「竹田の子守唄」とかの話しだな。
だいぶ前、テレビの深夜のドキュメンタリーで、放送禁止歌をテーマにした番組を見たことがある。放送禁止、というといかにも法律上の根拠があって、お上から禁止されているように思えるけど、実際は放送業界の「自主規制」。はっきりした根拠などなく、マスコミで放送されない歌が数多く存在する、という内容だったと思う。その番組で初めて、子供のころ聴いた「竹田の子守唄」が放送禁止になっていることを知った。
京都民謡。非常に、いや、異様に、と言ってもいいほど美しいメロディー。歌詞は、子守女の生々しい愚痴。どうも、もともと被差別部落から出た歌だから、という、わけわかんない理由の下に、放送禁止になっているらしい。
民謡とは言え、作者の名前が残っていないだけで、元歌を作ったのは特定の人物であるはずだ。その元歌に対して、後の人が歌詞を加えたり、節回しを多少変えたり、ということはあっただろう。
高野辰之さん・岡野貞一さんコンビの「春の小川」の歌詞が、オリジナルは「春の小川はさらさら流る」だったのが、いつの間にか「さらさらいくよ」になっていたように。
とにかく、Honeywarの独断ですけど、この元歌のメロディーを作った人物、天才ですよ。「ファ」と「シ」が出てこない「四七抜き音階」。普通もっと単調になるものなんですよ。西洋音階で言うと、「ラ」で終る「短調」のメロディー。なんだけど、フレーズの頭や最高音の「ソ」の音の使い方が絶妙で、暗さ一辺倒でない、不思議な開放感があって、それこそ、ちょっとこの在所を越えれば親の家に帰れる、という一抹の安心感。
「四七抜き音階」で、こうゆう感じのメロディー、というのを僕は他に知らないです。One and Only。
どんな理由があるか知らないけど、この歌を放送禁止にして葬り去る、なんて、人類としてバカげている。この唄を作った名もなき天才をも完全に闇に葬るということでしょう。....と書いて気がついた。美輪(丸山)明宏さんの
「ヨイトマケの唄」も放送禁止だったはずだ。僕が聴いたのは2003年のNHKの番組だったから、「自主規制」をやめたんだろう。あ、そういえばつボイノリオさんの「金太の大冒険」を僕が初めてフルに聴いたのも、10年くらい前の日本テレビの番組でだった。あれも自主規制解除だったんだろう。「竹田の子守唄」も自主規制を解かれますように。この歌が失われたら、人類の損失だよ。
「竹田の子守唄」は、民謡で、著作権などないから、今ではネットで検索すれば、MIDIなどで試聴できるサイトが数多くあるはずだ。ご存じない方は、ぜひ聴いてみていただきたい。
posted by Honeywar at 02:19| ☁|
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