2007年02月22日

硫黄島からの手紙

LettersFromIwoJima
 クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争での硫黄島における激戦を、日米双方の視点から描いた2分作。「父親たちの星条旗」は未見だが、日米問わず、より評価が高いらしい「硫黄島からの手紙」を見た。
 既に連合艦隊が壊滅的な打撃を受け、制海権・制空権を失っている日本。陥落すれば本土への爆撃基地とされるはずの要衝・硫黄島に、栗林忠道中将が着任する。渡米経験があり、物量に勝る米軍の実情をよく知る栗林は、古参将校の無理解と反発に合いながらも、同じく渡米経験がある、1932年ロサンゼルスオリンピックの馬術金メダリスト・西竹一中佐の協力の下、トンネルを掘って島全体を要塞化する戦術で、米軍の総攻撃に対峙する....

 飛行機はすべて本土に引き揚げられ、援軍も送られず、武器弾薬も乏しい絶望的な状況の中。米軍の予想では、5日で陥落すると見られていた硫黄島を、36日間守ったという日本軍の激戦。疲弊して士気の低い兵卒、大局を理解しない将校の蛮勇、指揮系統の混乱、命令を無視して多くの部下を死なせ結果的に生き延びる将校....末期症状を呈する軍をなんとかまとめ、「1日でも長く本土攻撃を遅らせる」ために闘った栗林中将。

 不毛の地・硫黄島を的確に表現する、抑えた色彩。コンピュータグラフィックも使われているはずだが、あくまで抑制された効果的な使われ方だ。なにより、情緒的な表現が極めて抑制され、それだけに、61年後、兵士達の想いが解き放たれるラストシーンが印象的だ。

 あえて難を述べれば、36日間も持ちこたえたはずの日本軍が、やや弱々しすぎる印象を受ける点だろうか。それにしても、日本人が描いたどんな戦争映画よりも、日本軍の誇りももろさもリアルに表現することに成功しているように思える。なぜ、日本人にこの映画が作れないのか。情けない。

 役者陣は皆、適材適所で好演しているが、草食動物のように、ひ弱で頼りなげで、いい表情をする二宮和也さんが、まさにはまり役。
posted by Honeywar at 01:15| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映像作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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