2006年01月21日

原田真二さん「OUR SONG and all of you」

HaradaShinji
 昨年クリスマスのプレゼント交換、書き残していたもう一つ、ようやく書ける(^^;

 原田真二さんの「OUR SONG and all of you」。1978年7月24日、18歳の天才ポップミュージシャンの武道館コンサートと、そのリハーサル・嬬恋での合宿の模様などを収めたドキュメンタリー映画。
 手元に、この映画を観た当時のパンフレットと、雑誌の切抜きが残っている。1978年12月16日から29日まで2週間、東京有楽町の日劇文化で上映されたとのこと。しかし、僕が観たときは、会場周辺で「スウィート・ベイビー」がガンガンかかっていた記憶がある。1979年3月発売のシングルだが、まだ発売されるかされないか、という時期だったはずなので、恐らく79年3月から4月くらいに再上映されたとき、僕は観に行ったのだろう。当時、僕は中学生。姉と観に行ったのだが、このころ原田さんのファン層はほぼ100%女性だ。男性は僕一人だったのを覚えている。(^^;

 雑誌の切抜きによると、当時のレコード制作と同じ24chの録音システムを使用したという音質のよさがこの映画のウリのような書かれかたなのだが....DVDでは、音質がどうのこうの以前に、原田さんのボーカルがところどころ聴き取れないほど引っ込んでいるような、最悪の音量バランス。映像の方も、フィルムの傷つきそのままの古い画質。「ニュープリント」とか「デジタル・リマスタリング」とかの美しい映像に慣れた目で見ると、かなりがっかりする。フィルムの中ほどでは映像のほうは少しはマシにはなるが....とにかく、当時の雰囲気を存分に味わうことに集中。

 当時から、「原田真二」と言えば「生意気」というイメージで通っていたもののだが、あらためて観ても本当に生意気そう(笑)。よく言えば、自信にみなぎっている。

 コンサートは、初期のシングルと、オリコン初登場1位を記録した最初のアルバム「Feel Happy」の曲を中心に構成。これに、この後の方向性を決定付けるような、未発表曲が加わる。

 ドラム2セット、ピアノ、ベース、ギター。これに原田さん自身がギターとキーボード・ピアノをスイッチ。ストリングスもホーンもなし。コーラスは、お世辞にも上手いとはいえないバンドメンバーが兼任。現在のようにコンピュータが発達していれば別なのだが、当時はこのメンバーで全曲を演奏するほかはない。そんなわけで、オープニングの「てぃーんず ぶるーす」や中盤の「シャドーボクサー」など、本来ポップな楽曲も、ロック色の強いアレンジで演奏される。



「てぃーんず ぶるーす」、武道館版ではないけど、同アレンジのもの
(ゴダイゴさんも参加していたと思う。「芸術祭参加作品」的な番組だったんじゃないかな。)






 ロック色が最も顕著なのは、コンサート終盤。原田さんが上半身裸で演奏、それまでおとなしく座って観ていた女の子たちも立ち上がって手拍子する、(恐らく)アンコールの部分。後に2枚目のアルバムに収められる「WAKE UP」、3枚目のアルバムに収められる「WISE WAY」といった、ギターリフがかっこいいロックの佳曲が演奏される部分。

 確かに原田さんの作曲能力はすばらしい。本人の自信そのままに、ロックでもそれなりの曲は書けてしまう。けれど、楽曲の質にしても声質にしても、やはりポップ系の曲でこそ原田さんの才能は真価を発揮しただろう。この音量バランスでは演奏の質までは正確に判断できないかもしれないが、「WAKE UP」も「WISE WAY」も本来これらの楽曲に必要なタイトさに達していないのではないか。映画では、「WAKE UP」の懸命なリハーサルの模様も収録されているだけに、そんな感を強く持った。

 この後、原田さんは、本来最も力を発揮できたであろうポップ路線を離れ、「OUR SONG」のメッセージ色、「WAKE UP」のロック色を強めていくことになる。

 このDVDを観てしばらく後、たまたま会社でもらった「スポニチ」紙で興味深い記事を見つけた。2005年12月27日の芸能面・「熱き歌の日々 団塊たちのクロニクル」という石原信一さんのコラムだ。

 1977年にフォーライフ・レコードの社長に就任した吉田拓郎さんが、経営者として会社の赤字を立て直すため、売れるアイドル・原田真二さんを発掘・プロデュースし、120万枚の売り上げを記録した3枚のデビューシングルや、大ヒットアルバム「Feel Happy」を生みだし、そして....フォーライフ社の建て直しが見えると、プロデューサーを降りてまた「アーティスト」に戻ったと。

 同郷・広島出身の吉田拓郎さんというプロデューサーを失い、原田真二さんは、自身に最もふさわしいポップ歌手の道をはずれ、「なりたい自分」・ロックアーティストの道を歩みはじめる。

 今、シングル集のCDで、傑作ポップナンバー・「キャンディ」や「シャドー・ボクサー」を聴きながら改めて思うが、この転進は失敗だったんだろう。だけど、もうそんなことはどうでもいい。最初期のシングル・そして最初のアルバムだけで、僕には充分だ。

 そして、何だかんだいいつつ、当時の雰囲気と、躍動する若き天才ポップミュージシャンの姿を堪能できるこの映画も楽しめた。妻よ、ありがとう。



「Our Song」、上の「てぃーんず ぶるーす」と同じステージのもの




原田真二さん公式ページ
posted by Honeywar at 22:25| ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 映像作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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原田真二
Excerpt: 原田真二
Weblog: アイドル芸能Shop
Tracked: 2006-04-11 23:07
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