年末年始にTOKYO MX TVで「がんばれ!! タブチくん!!」シリーズ3作が放送されていた。1979年から80年に続けざまに発表された大ヒットアニメ映画シリーズだ。
(「がんばれ!! タブチくん!!(1979年)」「がんばれ!! タブチくん!! 激闘ペナントレース(1980年)」「がんばれ!! タブチくん!! あゝツッパリ人生(1980年)」)
昔の映画だし、今見てもそれほどおもしろくないかも....と思いながら観てみたら、これが結構おもしろかった。(^^
物語の舞台は、2対4という大型トレードで、阪神タイガースの田淵幸一捕手が、新生・西武ライオンズに移籍した時代。
2年間で3作品。「ジブリ系」などの凝った作品なら、ありえないハイペースだけに、このアニメシリーズは、大変ユルい。主人公・西武ライオンズのタブチくんが対戦する相手投手が、映画1本につき、ほぼ1人しか出てこないのというのがユルさの象徴だ(1作目では阪急ブレーブスのヤマダ投手ばっかり、2作目では近鉄バファローズのヤマグチ投手ばっかり)。
このユルさが、当時の西武ライオンズの雰囲気、つまり、田淵捕手・野村克也捕手・土井正博選手など、盛りを過ぎた大物選手を大量に擁しながら全く機能しなかったダメダメ感を、よく表現している。
テーマは一言、「タブチはデブ」。
このわずか6文字の命題から出発して、これでもかとばかりに話を盛り上げる、原作者・いしいひさいちさんの徹底ぶり。「打てない・走れない・守れない」の3拍子がそろうタブチくんだが、ちょっとトレーニングしてやせさえすれば、とたんに打てる・走れる。ところが、埼玉県・小手指[こてさし]のタコ焼きを食べ過ぎてたちまちリバウンド、というのが基本パターン。
実在の、しかも現役の、しかもタイトル獲得実績のある大物選手を、ここまでおちょくり倒したっつーのがすごい。
いや、なによりもすごいのは、このグータラ選手を「愛せるキャラクター」に高めてしまった、いしいひさいちさんの魔術。これがプロの技術なのか。
タブチくんの脇を、超スローボールと「使えない魔球」が武器のヤクルト・ヤスダ投手、冷徹に夫を支える名パートナー・ミヨ子夫人、実物より遥かに人がよさそうなツツミオーナーなどが固める。脇役の中ではなんといっても、一見クールながら静かに怒りっぽいヒロオカさんが秀逸。
そうそう、クレイジーパーティーさんの歌う主題歌もすばらしい。「うぅわさに聞いたパンチりょくぅ、どおしちゃ・たぁ・のお〜」と、のたうつ様なメロディーとパンチの効いたボーカルが畳み掛ける。ああ、耳から離れない。
年末年始はおバカ映画に限る。ありがとう、TOKYO MX TV。





